Whats Truck Race
 国内に於いてトラックによるレースと言えば、パリダカのカミオンクラスが有名です。
しかし、欧米ではラリーレイドよりも、大型トラクターヘッドを使用したサーキットレースの方が、絶大な人気を誇っています。
残念ながらこの事は、国内でほとんど知られていないことであります。日頃見慣れた純然たる実用車(貨物車)のトラックがサ−キットを走り回るという、非常に面白くかつ興味深い事に思います。

 前述のヨーロッパでは、『FIA European Truck Racing Cup』全11戦(1998年度)が、ヨーロッパ各国を転戦して行われており、完全に興業として成り立っているところが日本と違うところである。
出場するメーカーは、日本でもおなじみのMERCEDES-BENZVOLVOをはじめ、DAFM.A.NRenaultSCANIAなどがワークスマシンを出場させて戦っています。
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『FIA European Truck Racing Cup』は、こちらで紹介されています。
ヨーロッパの場合、クラスはSUPERTRUCKSRACE TRUCKSの2つがあり、車両規定も若干違います。
共通規定として、最高速160キロまで、ABSやトラクションコントロールの禁止が規定されています。
また、FIA規定に準じた安全装備は当然ながら必要です。


1998年にヨーロッパで活躍した主だったトラックを、こちらで紹介しています。
【Super Trucks】  【Race Trucks】


  • SUPERTRUCKS

    • 最大排気量 12000cc以下
      最低重量  5000kg以上
      前後荷重配分は自由に変更可
      オートマチックミッション使用可
      ディスクブレーキ使用可

  • RACE TRUCKS

    • 最大排気量 無制限、しかしターボのインデュース径は65mm以下
      最低重量  5800kg以上
      前軸荷重が3600kg以上あること
      オートマやディスクブレーキは使用不可



ワークスのDAF('96 DAF 85 Super Racing Truck)を参考に、SUPERTRUCKSクラスの参加車両の紹介を。
 #画像をクリックすると大きな写真を見れます。

DAF.GIF
 仕様としては、WS型11,600ccを4バルブ化してギャレット製ターボを装着。 インタークーラーは、水冷式と空冷式をダブルで装着して、ブースト4.5バールで公称1000馬力以上を絞り出す。
 レギュレーションで最高速度は160キロ。空力対策としてエアダム型スポイラーを追加。

 ミッションは5段。マニュアル操作も可能なオートマチックです。タイヤはコンチネンタル製のレーシングトラック専用タイヤ。リアデフにはLSDを装備。
 軽量化のために、フロントアクスル・ホイールハブ・リアインナーホイールにはアルミを使用。リアアフターホイールは、FIAの規定で鉄製である。 ホイールは規定で10穴を使用。

 ブレーキは、前後ともKnorr K100の水冷式!ディスクブレーキを装備。またブレーキキャリパーは、全輪がツイン・キャリパー式です。
 トレーラー牽引用カプラーは、規定で装着が義務づけられています。当然ながらトレーラーを牽くことはありませんが・・。
車両重量は約5トン。(最低重量規定による)
このスタイルでありながら、車両前後の重量配分は、ほぼ50:50になっている。
また、F1並にテレメトリーシステムまで装着されているのは、ワークスならでわの事であろう。


現在、国内でデモ走行をしているトラックには、ヨーロッパでレースに使われていた車両を使用しています。
#詳しくは【Racing Trucks】をご覧下さい。

国内でも、欧米のようにトラックレースを開催できて、各メーカーが凌ぎを削るような状態になったら面白いと思いませんか?
近い未来それが実現できるように・・・・・。



●参考文献   Special Thanks
FIA 二玄社 別冊CG

世界のトラック2000 山崎栄一 編・著